2020年6月11日

一瞬仕事復帰。

さーてと、みなさん元気かな。

私はなんだか思ったよりも早く仕事が再開しまして、
5月末から10日ほど田舎の街にレジデンスに行って来ました。
いつ仕事始まるかなー、多分秋からだろうなーと呑気なことを思ってましたが思ったより全然早かった、、、笑。

Le Cube, Hérisson
Le Cube, Hérisson














とはいえ、これもかなり例外的なレジデンス。
レジデンスというと皆で泊まり込みで1〜2週間仕事をするので、もちろん人と人との接触を避けるのが大変&いろんな街から人が集まってくるので誰かがウイルスを持ってくる可能性もある、、、という事で、なかなかリスクの高い職場。そんなわけで現状レジデンスやリハーサル等を既に再開してるカンパニーは少ないです。
一緒に住むし、一緒にご飯も食べる。
ただ今回はソロ作品、人数もテクニカルチーム合わせて10人以下という条件で、それぞれがちゃんと気をつければどうにかできるのではないか、、、という事で決行。
カンパニーも受け入れ施設もかなり気を使って宿泊環境や仕事環境を整えてくれていました。家もいつもの倍の数を借り(カンパニー側の経費は大変)、ご飯は微妙に離れて食べる。
正直後半になるにつれてグダグダになっていってはいましたが、、、今のところ体調不良者も出ていないので、この作戦でうまくいったと願うばかりです。


毎日?除菌係してくれたジェロム。



















という訳で、今回はソロ作品。
これまで既に3つのクリエイションに参加しているフランク・ヴィグルーの新作です。
「Forêt」(森)という名のこの作品では、私はなんだろシャーマンのような、動物のような、木のようななんだか摩訶不思議な存在です笑。フランクの作品ではいつもおかしな存在を任されていますが、今回は飛び抜けて摩訶不思議、、、と思う。
でも、こういうなんだかわからないものを探すのはやっぱり面白い

ライオン丸とグラサン野郎


















フランクとのクリエイションは (彼は演出はするけど基本は音楽家なので)、まずは色々な要素/ 
イメージ、シチュエーション、衣装などを渡されて、即興。初めから音楽、映像、照明もそれぞれに即興、というクリエイションの時点で舞台環境の整った状態で探していきます。
私は"その場で勝負"的なこの作り方が結構好きで、もちろんなんだかわからないこともあるし、何をしていいか分からなすぎてふてくされてることもあるけれど笑、様々な情報を自分なりに消化して、とりあえずその場に立ってみると、ふとシューーーーッと集中する時間ができて面白いかもって思えるものがでてくることがある。

なんだかわからないものの性格や性質を、身体と一緒にに手探りで探していく。
この感覚はダンス特有のものなんじゃないかなーと思う。
"こういうキャラクター"とか"こういうストーリー"というはっきりとした指定がない中で、動いてみて、あーこういうヤツかなとか、こういうヤツだったらこんな動きするかな、ここで止まるかな、ここでこの服脱ごうかなとか、動いているうちにだんだんとその的が絞られていく。
意味のなかったものに意味が出て来て、だんだんストーリーまで見えてくる。

たぶん、考え中。











やっぱり作るってたのしいな笑。
後半、何を言ってるんだこの人は?って頭をぐわんぐわんさせてしまっているかもですが、なんとなーく書き留めて置きたかったので、書きました笑。自分が踊る時、踊りを探す時の感覚。
自分の作品でも割とこういう探し方をしていると思うけど、フランクの現場ではさらに、その場その場で自分がどう対応するか、それによって周りがどう変化するかというような、作品を一緒に作る皆とのその場でのやりとりにワクワクさせてもらってます。
皆それぞれ不機嫌になったり、言い合いになったりすることもありますが、なんだかんだ話し合いで解決する関係性に感謝です。(よくある話ですが、フランス人のディスカッションが長いこと長いこと、、、笑)

この作品の初演は予定では2021年秋なので当分先。
コロナウイルスの影響でフランスでもこの1,2年は色々な形で公演とかプロジェクトの維持にも影響があるだろうと言われていますが、予定通り初演までたどり着けるといいなー

頑張る新入り二十歳のジョゼフくん。


















あーちなみに、、、フランスの現状を少し。
この数ヶ月でキャンセルになった公演は、大半の公演は最低限の給料は支払われる&2020-2021シーズンに延期。(もちろん例外ありです。私の公演もひとつまだどうなるか連絡なく、先行き不明です。)とはいえ、それによって20-21シーズンに決まっていた公演がキャンセルになってしまったりって話もあるようです。
また、アーティストへの保障に関してはIntermittent du spectacleというステイタスを持っている人に限ってですが、2021年の8月末までは安定した保障が得られることになる様子です。(このステイタスに関しては説明がややこしいのですが、、、通常12ヶ月で決められた時間数働かなくてはステイタスを維持できないところ、その時間数を稼ぐ期間が伸びることになります。)
あーとーはー、公演も今のところ禁止。近々少しずつ緩和されるようではありますが、夏の大きなフェスティバルは全て中止という事態はやっぱり本当に異常な状況だなと気付かされます。

てな訳で、私自身も来週ちょろりとリハをしたらまた暇人予定。
割り切って何かいつもはしないことを始めようかいねー なんだろーねー笑。

Hérisson 綺麗な街だった。