2026年9月16日

リサーチ

さて、今度こそ具体的なリサーチの内容を書いてみます笑。

① 出会う
今回一緒にリサーチをするエリーズはここ10年くらい氷で作ったマリオネットを自分で作り、それを作品の中で使用しています。私は彼女の作品に演者として関わってから氷に興味を持ち、自分のプロジェクトで氷を使うことを決めて「FURERU/ 触れる」という作品を作っています。私たちの共通の興味である、氷のように"時間の流れの中で形を変えていくもの" を他にも探求してみよう、というのが、このリサーチの出発点でした。

その探求の出発点として、"変容する素材"を扱う職人やアーティストに会いに行こうというのがその①。土を扱う陶芸家、土、風、水、空気を扱うコンテンポラリーアーティストなど、私たちがこれまで世界のどこかで作品に出会ったことがあり、興味を持っている方々にコンタクトを取り、会いにいきます。その方々がどのようにその素材と向き合い、作品を作っているのかを見学したり、話を伺ったりすることで、見えてくることがあればいいなと思ってます。


↑ といわけで早速、1週目、早速アーティストの坂本海森さんのアトリエを訪問。
    そして、2週目、坂本さんと土をつかったラボ。


② マリオネット

日本のマリオネットといえば、文楽や人形浄瑠璃ということで、文楽や人形浄瑠璃の舞台を見たり、舞台裏を見学しにいったりします。また、祝祭や儀式の中で使われる人形や日本各地に残る伝統的な人形劇、人形遣いの技術をリサーチします。













↑といわけで、1週目はマリオネッティストの長井望美さんにヴィラ九条山まで来ていただき、彼女のマリオネットを見せていただき、そして私たちが興味を持っていた東北の"オシラサマ"についてのレクチャーをしてもらいました。

↑2週目は日本で一番大きいマリオネットのフェスティバルが行われる長野県飯田市に訪れ、川本喜八郎美術館と竹田人形館を訪問。どちらの施設でも丁寧に説明していただきました。


③ 能
もののあはれ、について調べて行くうちに能の世界の「幽玄」という言葉に出逢う。能を初めて生でみたのは大学の授業で能楽堂に行った時だからもう20年前のことで、その後いくつか舞台は見ているけど、顔には能面をしている上に動きも派手ではない表現の仕方が、今もう一度見たり、深く知りたいことかもしれない、という気づきから能をリサーチします。

















↑9月、10月と京都・滋賀で能舞台を鑑賞予定ですが、8月中に能面師中村光江さんの能面アトリエを訪問&9月1週目には大徳寺でやっている展示を鑑賞しました。


④ 祭、儀式
私たちの扱う素材が自然の素材なので、水、火、土、風などの自然のエレメントを使うお祭りや儀式を見にいけたらと思っています。今のところ、鞍馬の火祭り、長野の霜月祭に行く予定ですが、おすすめあったら教えてくださいー


⑤ 生と死をつなぐこと
これは出発点ではあまり考えていなかったのですが、エリーズと私が最近興味をもってることの一つ。私は特に日本の葬送儀式の移り変わりに興味があります。なぜ日本では99,9%火葬が行われているのかとか、人が自然の中に循環していくシンプルな方法はなんなのかとか、、、書き出したら長くなりそうだからまた書きます笑。

2026年8月20日

もののあはれ

というわけで、リサーチの具体的な内容を書いてみます。

今回のリサーチのメインのテーマは「もののあはれ」
「もののあはれって何ですか?」と今回のコラボレーターであるエリーズが、去年初めて日本に来た時にいろんな人に聞いてみたところから、面白いね、、、とスタート。エリーズによると、人によって答え方が違うのと、割とみんな戸惑う、と笑。

"もののあはれ"って大抵の日本人が聞いたことあるし、単語としては知ってるけど、実際「もののあはれって何ですか?」て改めて聞かれると、はて、、、となる言葉なのだと思う。
私にとっても、なんとなくこんなイメージって、頭に浮かぶイメージはあったけど、それが実際正しいのかもわからないし、言葉にしろと言われると難しい。

改めてネット検索してみても、Wikiによると、
もののあはれ(もののあわれ、物の哀れ)は、平安時代王朝文学を知る上で重要な文学的・美的理念の一つ。折に触れ、目に見、耳に聞くものごとに触発されて生ずる、しみじみとした情趣や、無常観的な哀愁である。苦悩にみちた王朝女性の心から生まれた生活理想であり、美的理念であるとされている[1]日本文化においての美意識価値観に影響を与えた思想である[要出典]。」
という具合に、さくっと調べるくらいだとわかったようなわからないようなことになる。

とはいえ、エリーズも知っていたように、日本文化に興味のある外国人は大抵、MUJO (無常)、MA(間)、Wabi-Sabi (侘び寂び)、MononoAware (もののあはれ)あたりの言葉を知っていて、つまりこれらの直訳できない言葉たちは日本文化の特殊性を説明、理解する上でのキーワードと言えるのだと思う。
本屋さんで見かけたジャパニーズワーズの英語の本たち

なのに、説明できないって、、、笑。

実際日本人のアーティストの作品を見たり聞いたりして、"日本らしさ"みたいなことを感じることはよくある。自分の作品や踊りを見てもらった時にも"日本らしさ"を指摘されることもあるけれど、毎回その無意識・無自覚のうちに表出してしまう"日本らしさ"はなんなのだろうか、と思ってきた。
もしかしたら、そのヒントはここにあるのかもしれないな、と思ったのも、このテーマを面白いな、追求すべきときなのかな、と思った理由なのかもしれない。

そんなわけで、多面的にこのもののあはれを追求してみよう、、、というのが今回のリサーチのメインテーマなのだけど、「なぜ"もののあはれ"なのか」を色々書くうちにだいぶ書いてしまったので、ここで止めときます。というか、なぜ"もののあはれ"なのか、の理由ももうちょっとあるかも。また書きます。

2026年8月19日

ヴィラ九条山

さてさて近づいてきました、ヴィラ九条山。
もうすぐ京都に短期引っ越しして、エリーズとのリサーチが始まります。
9月から4ヶ月レジデンスで京都に行くんだー、と周りに話すと、大体、え?なにするの?って聞かれるので、ちょっと書いてみようかなーとブログを開きました。

















まず、ヴィラ九条山ってなんなんだ、ってところから。
京都の人でも知らなかったり、日本でアートに関わる人もあまり知らないんだな、ということに自分がレジデントになってから気づいたのですが、、、、
ヴィラ九条山というのは、京都の九条山にあるフランスのInstitut Français / アンスティチュフランセ (フランス政府が海外におけるフランスの文化・芸術・言語の普及や国際交流を推進するための公的機関)が運営するアーティスト・イン・レジデンスです。アーティスト・イン・レジデンスっていうのは、アーティストが普段住まない場所に滞在しながらリサーチしたり、作品を作ったりする施設のこと。

基本的にフランス人、もしくはフランスで5年以上活動する外国人が応募できるシステムになっていて、毎年あらゆる分野のアーティスト、職人、研究者のレジデントが15人前後滞在します。私が滞在する期間には、演劇、写真、デジタルアート、映画、工芸などのアーティストが滞在しています。期間は4~6ヶ月で、制作に必要なスタジオが与えられます。

よく聞かれるのは「なんか作品つくるの?」「公演があるの?」ということなのですが、基本的に作品を作る義務はなく、"リサーチ"に時間をつかえるというのがこのレジデンシーの特徴であり、すごいところだなと思います。

とはいえ、ダンサーが"リサーチ"って何するんだろうって思いますよね。
友達にこのレジデンスのリサーチ内容を話してたら、「毎日踊る狂うのかと思ってたー」と言われて、そっか、そうだよな、そう思うよな、、、と気づく。レジデンスといっても、確かに毎日踊り狂うレジデンスもあるけど、今回は結構違うからそれも含めて知ってもらえたらおもしろいのかなぁと。経過として少し記録と言葉に残せたらなぁと思ってます。(頑張る笑。)

ヴィラ九条山の詳細の情報はこちらから覗いてみてください。
https://villakujoyama.jp/ja/%e3%83%9b%e3%83%bc%e3%83%a0/

私たちのリサーチ内容をまとめてくれてるのは、こちら。
https://villakujoyama.jp/ja/contributor/%e3%82%a8%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%83%bb%e3%83%b4%e3%82%a3%e3%83%8b%e3%83%a7%e3%83%ad%e3%83%b3%e7%ab%b9%e5%86%85-%e6%a2%93/

次のブログで具体的にどんなことしてるのか、する予定か、書いてみまーす。